【基礎を解説】中学1年数学《正負の数》「15. 正負の数の要点まとめ」
15.正負の数のまとめ
1.正負の数の表し方
★ ポイント
・0より大きい数を正の数といい,正の符号 +(プラス)をつけて表す.
・0より小さい数を負の数といい,負の符号 −(マイナス)をつけて表す.
・0は正でも負でもない数である.
例
1.次の数を,正の符号,負の符号をつけて表しましょう.
⑴ 0より7大きい数
+7
0より大きい数なので正の数である.よって,正の符号+をつけて +7
⑵ 0より11小さい数
-11
0より小さい数なので負の数である.よって,負の符号-をつけて-11
2.次の▢にあてはまる数を書きましょう.
地点Aから東へ5 ㎞ 進むことを+5 ㎞ と表すとき,Aから西へ9 ㎞ 進むことは▢ ㎞ と表すことができる.
-9
ここでは地点Aから東へ進むことを+としているので,Aから西へ進むことは-で表される.
西へ9 ㎞ 進むので,-9 ㎞ と表す.
2.絶対値
★ ポイント
・絶対値は,その数から,+,-の符号をとった数と考えればよい.
例 +5の絶対値は5
-8の絶対値は8
3.数の大小
★ ポイント
・数の大小は不等号 「<」,「>」,「≦」,「≧」で表す.
例
+3 > -5
-6 < 0
-7 < 0 < 3
※ 3つ以上の数の大小は,■<▲<〇のように,不等号の向きをそろえよう
4.たし算
★ ポイント
・たし算のことを加法(かほう)といい,その結果を和という.
・符号が同じ2数の和は,絶対値の和に共通の符号をつける.
・符号が異なる2数の和は,絶対値の差に絶対値の大きいほうの符号をつける.
例
⑴(-1)+(-4)=-(1+4)=-5
⑵(+6)+(-3)=+(6-3)=+3
5.ひき算
★ ポイント
ひき算のことを減法(げんぽう)といい,その結果を差という.
例
⑴ (+4)-(+5)
=(+4)-5
= -1
下線部が異なる符号の場合,-になる
⑵ (-6)-(-3)
=(-6)+3
= -3
下線部が同じ符号の場合,+になる
6.たし算とひき算の混じった計算①
★ ポイント
・たし算だけの式で,+で結ばれた各数を項という
・加法の交換法則:■+〇=〇+■,
・加法の結合法則:(■+〇)+▲=■+(〇+▲)
例
1.次の式の正の項,負の項を答えましょう.
⑴(+3)+(-8)-(+5)-(-7)
=(+3)+(-8)+(-5)+(+7)
項は,たし算だけの式で,+で結ばれたものだから
たし算だけの式に直すよ!
上の式で項は,カッコで囲まれている+3,-8,-5,+7である
それらのうち,正の数のものが正の項,負の数のものが負の項である.
正の項:+3,+7
負の項:-8,-5
2.次の計算をしましょう.
⑴(+4)+(-5)-(-6)
=(+4)+(-5)+(+6)
たし算だけの式に直す
=(+10)+(-5)
正の項の和,負の項の和,それぞれ別に計算する
=(+10)- 5
= +5
※正の項の和,負の項の和をそれぞれ別に計算できるのは,
加法の交換法則:■+〇=〇+■,
加法の結合法則:(■+〇)+▲=■+(〇+▲)
という法則があるからだよ!
上の法則から,
「たし算の場合,順序を入れ替えても成立する」ということがわかるね!
7.たし算とひき算の混じった計算②
例
1.次の式を,かっこと加法の記号+をはぶいた式に直しましょう.
⑴ 6+(-7)-(+5)
= 6+(-4)+(-5)
= 6-4-5
たし算だけの式に直し,かっこと記号+をはぶく!
2.次の計算をしましょう.
⑴ -1+6-7
= 6-1-7
= 6-8
= -2
⑵ -4+9+5-6
= 9+5-4-6
= 14-10
= 4
下線部に注目してみよう!
正の項,負の項の和をそれぞれ求めているよ.
※難しいって思う場合は,正の項,負の項に分けずに,左から順番に計算しても大丈夫だよ!
答えに +4 と書かずに 4 と書いてあるのは,
計算の結果が正の数のときは,符号+をはぶくことができるからだよ!
8.かけ算
★ ポイント
かけ算のことを乗法(じょうほう)といい,その結果を積という.
例
1.次の計算をしましょう.
⑴ (-3)×(-2)
= +(3×2)
= 6
同符号のかけ算は,答えが正になる!
⑵ (+4)×(-5)
= -(4×5)
= -20
異符号のかけ算は,答えが負になる!
9.3つの数のかけ算
★ ポイント
・いくつかの数のかけ算に積の符号は
負の数が偶数個 ⇒ +
負の数が奇数個 ⇒ -
・乗法の交換法則・・・■×〇=〇×■
・乗法の結合法則・・・(■×〇)×▲=■×(〇×▲)
・乗法の交換法則・・・■×〇=〇×■
・乗法の結合法則・・・(■×〇)×▲=■×(〇×▲)
この2つの法則から,かけ算は,かける順序を変えても答えは同じだということがわかるね!
例
⑴ (-3)× 4 ×(-6)
= +(3×4×6)
= 72
負の数が2個だから,積の符号は+になる
⑵ (-2)×(-3)×(-4)
= -(2×3×4)
= -24
負の数が3個だから,積の符号は-になる
10.累乗
★ ポイント
・同じ数をいくつかかけ合わせた数を累乗という.
・かけ合わせた個数を表す数字を指数といい,右上に小文字で示す.
例
1.次の積を,累乗の指数を使って表しましょう.
⑴ 4×4
= 42
⑵(-5)×(-5)×(-5)
=(-5)3
(-5)を3個かけ合わせた数だね.
2.次の計算をしましょう.
⑴ 62
= 6×6
= 3
⑵ (-7)2
=(-7)×(-7)
= 49
(-7)を2個かけ合わせた数だね.
⑶ -72
= -(7×7)
= -49
これは, 7を2個かけ合わせた数に-をつけた数だよ.
⑵との違いに注意しよう!
11.わり算
★ ポイント
・わり算のことを除法(じょほう)といい,その結果を商という
・0を正の数でわっても,負の数で割っても商は0になる.また,0でわる除法は考えない.
・符号が同じ2数の商は,絶対値の商に正の符号をつける.
・符号が異なる2数の商は,絶対値の商に負の符号をつける.
例
1.次の計算をしましょう.
⑴ (-12)÷(-4)
= +(12÷4)
= 3
符号が同じ2数の商は,絶対値の商に正の符号をつける.
⑵ (-35)÷(+7)
= -(35÷7)
= -5
符号が異なる2数の商は,絶対値の商に負の符号をつける.
12.逆数とかけ算
★ ポイント
・その数にかけ合わせると1になる数を逆数という.
例えば,
3の逆数はである.
3 × = 1
このように,かけ合わせると1になることがわかる!
例
1.次の数の逆数を求めましょう.
⑴
⑵ -
-
負の数の逆数は負の数だね
2.次の計算をしましょう.
⑴ ÷ (-)
= × (-)
= -
わり算は,わる数の逆数をかけるかけ算に直して計算しよう!
13.かけ算とわり算の混じった計算
★ ポイント
かけ算とわり算の混じった式は,かけ算だけの式に直して計算する.次に,式の中の負の数の個数に着目して,積の符号を決める.
例
1.次の計算をしましょう.
⑴ (-20)× ÷ (-3)
= (-20)× × (-)
= +(20 × × )
=
まず,かけ算だけの式に直す.
負の数は2個だから,積の符号は+
絶対値の積を計算し,+の符号をつける.
14.いろいろな計算
★ ポイント
・( )の中・累乗 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算の順に計算する.
・分配法則:(■+〇)×▲=■×▲+〇×▲,(■-〇)×▲=■×▲-〇×▲
例
1.次の計算をしましょう.
⑴ (-4)×5-8÷(-2)
= -20 +4
= -16
かけ算・わり算を先に計算する
計算の順番に注意しよう!
⑵ (5-2)×43
= 3 × 64
= 192
( )の中・累乗を先に計算する
2.分配法則を利用して,次の計算をしましょう
(-)×14
=×14-×14
=21-8
=13
分配法則を利用することで計算を簡単にしているよ!